空也のもなか

空也最中6

空也の「もなか」と言えば、あんこ好きの人では有名で、

東京を代表する味です。

もともとは、明治17年上野池之端に初代が店を構えたのが始まりだとか。

店名は初代が関東空也衆の信徒だったそうで、

空也上人の名から頂戴したそうです。

戦争で店は消失し、その後今の銀座並木通りに移転して

現在に至ります。

夏目漱石の「吾輩は猫であるでる」に空也餅が登場したり、

いろいろと文学作品にも登場しているそうです。

まさに文豪が愛した味でしょうか。

愛する「あんこ」の本 (サクラmook) という本を昨年末、

帰省する時に東京駅で買い、

その中で最初に掲載されていたのが空也のもなか。

空也は以前から知っていましたし、食したこともあったと思いますが、

俄然興味が湧いてきて、1月になって電話予約しました。

奥さんが予約をしてくれましたが、何度も何度もかけて

やっと繋がりました。

(予約をしないと手に入れることは難しいようです。)

予約の日に、受け取りに銀座へ。

空也最中4

場所は銀座6丁目の空也ビル。

暖簾には「空也もなか」とあり、

その横には売り切れの張り紙があります。

この暖簾は梅原龍三郎が揮毫してくれた「空也もなか」の五文字で、

梅原画伯の縦書きを左横書きにして仕立てたものだそうです。

暖簾をくぐってお店の中に入ると、狭い土間(人が5、6人入ればいっぱいのスペース)と

畳3畳ほどのお店のスペース(ここでできたもなか等を箱詰めにしているようです。)があります。

そこには予約分のもなかが所狭しと並んでいました。

空也7

お店の中にある、ウィンドウの飾りです。

玉堂の掛け軸。

空也最中4

あんこ読本 あんこなしでは生きられない

空也最中2

化粧箱に入っています。

早速、家で濃いお茶と一緒にいただきました。

空也最中1

もなかの型は、上の写真でわかるように楕円型、

これは空也念仏『鉢叩き」に由来しての形だそうです。

もなかの皮は焦がし皮と呼ばれ、香ばしい香りがします。

これは、初代が、親交のあった9代目団十郎を訪ねた際、

火鉢で少し焦がした最中を勧められたのをヒントに生まれたそうです。

横から見ると餡は皮からはみ出しそうに入っているのがわかります。

餡は甘からず、少し塩が効いた甘さは小豆の粒と皮と相まって

とても美味しくあっという間に食べてしまいます。

この品の良い甘さは、何個でも食べれそうです。

出来立ては、皮と餡がそれほど馴染まず、パリッとした歯ざわりで

餡がはみ出てしまいます。

3、4日経てば、皮と餡が馴染み一体感が生まれるそうで、

餡がはみ出ません。

食べころは、3、四日経ってからとの事です。

これは好みが分かれるところですね。

また、次回も予約して食べたいですね。

ともあれ、一度は食べて損はしない空也のもなかです。

くうや

東京都中央区銀座6-7-19
銀座 空也
電話 03-3571-3304
営業時間 10:00-17:00 (土曜日は16:00閉店)
日曜、祝日休み