職業としての小説家 小説家になる職業体験

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先日、紀伊国屋書店が「買い占め」したことで

話題になった、村上春樹氏の「職業としての小説家」

初版10万冊の9割を出版社から直接買取るというもので、

返品が一般的な今までの商習慣を破る異例の措置です。

アマゾン等のネット書店に対抗する狙いもあるようですが

村上春樹氏の人気の高さが、それを可能にしています。

さて、その村上氏の、現在の注目はノーベル文学賞です。

毎年、受賞候補に挙げられながら、残念ながら落選しています。

2015年はイギリスのブックメーカーによると村上春樹氏は2番人気のようです。

日本人の前回の受賞が、1994年の大江健三郎氏ですから、

かれこれ20年前になります。

それそろ、日本人が受賞しても良いのではないでしょうか?

ただノーベル文学賞は、その時々の世界の情勢を反映することがあります。

過度の期待は禁物です。

「職業としての小説家」のなかでも、芥川賞の受賞に関する話があります。

当人は、周りの喧騒とは裏腹に、飄々としたもののようです。

ノーベル賞の受賞もその延長と考えても良いのでしょう。

だけど、村上春樹氏の人気、評価はその当時とは比べものにならない程

世界中で読まれているということですね。

何かと騒々しい村上氏の周りですが、私が興味が持ったのは

村上氏が小説家になる前の20代に、

国分寺の南口でジャズバーを経営していたということでした。

どの辺りかは書いていないので不明ですが、

なんとなくあの辺りかなというのは察しがつきます。

経営していたと言っても、20代ですので趣味の延長のような

お店だったことでしょう。

私自身も国分寺の南口に、10年程お店をやっていて、

国分寺にも住んでいました。

当時の国分寺の状況(1987年頃)は、村上氏がいた頃の

残骸が残っていたような気がします。

今ではすっかり景色が変わっていますが、

それでも、国分寺にいくと、その当時の景色や匂いが

浮かんできます。

村上春樹氏については私よりも熱心な方がいっぱいいますので、

論評しませんが、このエッセイは、

「MONKEY」という文学雑誌に、連載された文章に加筆・修正されたものと

「考える人」に掲載された文章と書き下ろしの文章です。

「MONKEY」は非常に素晴らし文芸誌ですので、また後日書きます。

*2015年のノーベル文学賞は、ベラルーシの

スベトラーナ・アレクシェービッチ氏が受賞しました。

「チェルノブイリの祈り」はチェルノブイリ原発事故で被害にあった人たちの

証言を取りあげた作品です。

村上春樹氏の受賞は来年に期待しましょう!